自社設置のPBXはまだ使える?オンプレ・クラウド・AIクラウドの選択基準とリプレイスのタイミング

公開日:2026/06/17 更新日:2026/06/17
PBXリプレイス、どれを選ぶ?:オンプレミス、クラウド、AIクラウド(ミライAI)の3つの選択肢を示す比較サムネイル

長年、オフィスの通信インフラとして企業を支えてきた「オンプレPBX(自社設置型電話交換機)」。音声の安定性や強固なセキュリティから、「壊れていないし、今のままで問題ない」「使い慣れているから変える必要性を感じない」と考えている総務・情報システム担当者様も多いのではないでしょうか。 しかし、オフィスのあり方やITインフラが激変する中、オンプレPBXの維持には「目に見えないコストとリスク」が積み重なりつつあります。 本コラムでは、そもそもPBXが果たしてきた役割を改めて整理した上で、オンプレPBXの現在のリスクを客観的に検証。そして「通常のクラウドPBX」や最新の「AIクラウドPBX」への移行が企業にもたらす価値を比較・解説します。

そもそもPBX(電話交換機)とは?オフィスにおける役割を再確認

PBX(Private Branch Exchange:構内交換機)とは、企業内に設置され、外線と内線、または内線同士の接続をコントロールする電話交換機のことです。

もしPBXがなければ、社員1人ひとりに専用の電話回線を契約しなければならず、莫大な基本料金がかかってしまいます。また、社内のデスク同士で電話をかける際にも外線料金が発生してしまいます。

PBXは、限られた外線回線を社内で効率よくシェアし、社内同士の通話(内線)を無料にすることで、企業の通信コストを抑えつつスムーズなコミュニケーションを実現するための「オフィスの通信網の要(交通整理役)」として不可欠な存在でした。

PBXは、限られた外線回線を社内で効率よくシェアし、社内同士の通話(内線)を無料にすることで、企業の通信コストを抑えつつスムーズなコミュニケーションを実現するための「オフィスの通信網の要(交通整理役)」として不可欠な存在でした。

PBX(構内交換機)の仕組みの概要図。外部の「外線」が社内の「PBX」に繋がり、そこから5つの「内線」電話機へと分配・接続されている様子を示しています。

1.壊れていなくても知っておきたい、オンプレPBXを維持する「3つのリスク」

オンプレPBXは非常に堅牢なシステムですが、長期間リプレイスせずに自社で維持し続けることには、主に以下の3つの課題が生じます。

① ハードウェアの老朽化と保守サポートの終了

PBXの法定耐用年数は6年ですが、実際には10年近く大切に使われているケースも珍しくありません。しかし、メーカーの保守サポートが終了すると、万が一の故障時に部品が手に入らず、「オフィスの電話が数日間にわたって完全に不通になる」という経営リスクを背負うことになります。

② オフィスの変化(増床・席替え・テレワーク)への対応コスト

オンプレPBXは、組織変更や席替えのたびに配線工事や設定変更を専門業者へ依頼する必要があり、その都度「数万〜数十万円」の費用と調整の手間が発生します。また、多様な働き方(テレワークやハイブリッドワーク)に対応させるための外線転送サービス等は、設定が煩雑で通信費が高くなりがちです。

③ 通信インフラ全体の世代交代

現在、通信キャリア各社による固定電話網(PSTN)のIP網への移行やISDNの終了などに伴い、従来の「物理的な電話線」を前提としたインフラそのものが過渡期を迎えています。近い将来、いずれにしても何らかのシステム刷新を迫られる可能性が高いのが現状です。

2.刷新時における3つの選択肢:オンプレ再投資・クラウド・AIクラウド

オンプレPBXの寿命や通信インフラの刷新を迎えた際、企業が取れる選択肢は大きく分けて3つあります。それぞれの特徴と、どのような企業に向いているかを整理しました。

選択肢①:【オンプレPBXへの再投資】(現状維持・正統進化)

新しい世代のオンプレミス型主装置へ買い替える選択肢です。

  • メリットこれまでの運用方法や電話機の操作性が変わらないため、社員への教育コストが不要です。また、外部のインターネット環境に依存しないため、最高峰の通話品質とセキュリティを維持できます。既存の配線やドアホン等の周辺機器をそのまま流用できる場合もあります。
  • 留意点ふたたび数百万円規模のまとまった設備投資(初期費用)または長期間のリース契約(継続費用)などが必要です。また、席替えのたびに工事費用がかかる点や、テレワークに対応しにくいという従来の課題はそのまま残ります
  • 向いている企業:オフィス内での確実な通話と強固なセキュリティを最優先する企業。

選択肢②:【クラウドPBX】への移行(場所の自由とコスト最適化)

物理的な装置をなくし、インターネット上の電話交換機能を利用する方法です。

  • メリット初期の設備投資や毎回の席替え工事費がゼロになります。また、個人のスマートフォンやPCを会社の電話として使えるため、「どこにいても会社の番号で受発信できる環境」が手に入ります。
  • 留意点:通話品質が自社のインターネット環境に左右されます。また、場所は自由になりますが「人間が電話に出て、用件を聞き、誰かに取り次ぐ」という労働そのものは変わりません。
  • 向いている企業:テレワークを本格化させたい企業や、複数拠点の通信費・管理工数を削減したい企業。

選択肢③:【AIクラウドPBX】への移行(場所の自由 + 電話業務の無人化)

クラウドPBXの仕組みに、音声認識や生成AI技術をネイティブに融合させた最新のインフラです(※ミライAIがこれに該当します)。

  • メリット:クラウドPBXのメリット(コスト削減・テレワーク対応)はそのままに、AIが一次対応と担当者への自動取次ぎを行います。営業電話などをAIがブロックするため、受電に伴う「本来の業務の中断」を無くせます。
  • 留意点単純に「安く電話回線を引きたいだけ」の企業にとっては、AI機能がオーバースペックになる可能性があります。
  • 向いている企業:通信インフラの刷新と同時に、受電業務そのものを自動化・DXし、組織全体の生産性を引き上げたい企業。

3.【リプレイス検討用】3つのPBXの特徴比較表

オンプレPBXから次のシステムへ移行する際、どのポイントがどう変わるのかを比較表にまとめました。

比較項目オンプレPBX(再投資)クラウドPBX(移行案)AIクラウドPBX(移行案)
主装置の有無オフィス内に物理設置(要管理)なし(クラウド上で管理)なし(クラウド上で管理)
レイアウト変更・席替え専門業者による配線工事が必要管理画面から自社で完結管理画面から自社で完結
場所の自由度オフィス内のみインターネットが繋がれば、どこでも受発信可インターネットが繋がれば、どこでも受発信可
電話対応の手間人間がすべて対応・取次ぎ人間がすべて対応・取次ぎAIが一次対応・自動取次ぎ
リプレイスの最大のメリット既存資産の継続利用(現状維持)設備投資と運用コストの削減コスト削減 + 電話業務のDX

4.自社にとって最適なリプレイスの「答え」の導き方

すべてにおいて「クラウド化や最新のAIシステムが正解」とは限りません。オンプレPBXの刷新を検討する際は、自社の「現在の働き方」と「通信環境に求める最優先事項」から逆算して判断するのが最も確実です。

「外線の安定性とセキュリティを最優先し、これまでの運用や既存設備(ドアホンや受付システムなど)を一切変えたくない」

→ この場合は、無理にクラウド化を進める必要はありません。最新世代の「オンプレPBXへの再投資」を行うことで、既存の強固な社内ネットワーク(閉域網)や周辺機器との連携をそのまま維持でき、現場に混乱を与えることなく最も安全にリプレイスが完了します。

「機器の寿命を機に、毎回の席替え工事費などの運用コストを最適化し、テレワークや複数拠点での柔軟な受発信環境を整えたい」

→ この場合は、物理的な機器を持たないシンプルな「クラウドPBX」への移行で十分に課題が解決され、コストパフォーマンスの恩恵を受けられます。

「機器の寿命だけでなく、そもそも日々の電話対応(営業電話、取次ぎ、不在時の伝言)で社員の時間が奪われており、コア業務に集中できていない」

→ この場合は、電話回線をクラウド化するだけでは根本的な解決になりません。最初から「AIクラウドPBX」を選択し、通信インフラの刷新と同時に「受電業務の自動化・無人化(DX)」を行うことが、最も投資対効果(ROI)が高くなります。

自社の優先課題に応じた、PBXリプレイスの選定基準

まとめ:次の10年を見据えたインフラ選びを

オンプレPBXの刷新(リプレイス)は、単に「古い機械を新しい機械に変える」という作業ではありません。これからの10年、自社がどのような働き方をし、どのように生産性を高めていくかという、オフィスのあり方を再定義する重要な分岐点です。

「自社の環境には、最終的にどの選択肢がベストなのだろう?」「オンプレを維持する場合と、クラウド化する場合のコスト差を具体的に知りたい」といった疑問や不安がございましたら、ぜひお気軽にミライAIへご相談ください。

オンプレPBXからの移行でよくある質問

現在オンプレPBXをご利用中の担当者様から、リプレイス検討時によくいただくご質問をまとめました。

現在使っている会社の電話番号(03や06など)は、そのまま移行できますか?

番号ポータビリティ(LNP)を利用することで、多くのケースでそのまま継続利用が可能です。 ただし、現在ご契約中の回線キャリアや、移行先のクラウドPBXベンダーの対応状況によって条件が異なります。また、一部の地域番号ではクラウド化に伴い番号が変わる例外もありますので、検討の初期段階で現在の回線識別番号(契約内容がわかる書類)をご用意いただき、ベンダーへ調査を依頼することをおすすめします。もちろん、ミライAIでも事前の番号調査を無料で承っております。

インターネット回線を使うとなると、通話品質や途切れが心配です。

現代のクラウドPBXは通信技術の向上によって、ビジネス用途として十分なクオリティを持っていますが、自社のネットワーク環境への依存度は高くなります。 オンプレPBXは専用線だったため極めて安定していましたが、クラウド型はオフィスのWi-Fi環境やインターネット回線の混雑具合に影響を受けます。移行の際は、事前に無料デモ機などを用いて社内の電波状況をテストしたり、音声通話用の帯域を確保(QoS設定)するなどの対策を行うことで、オンプレミスと遜色ない安定性を確保できます。

移行の工事期間中、オフィスの電話が使えなくなる時間(ダウンタイム)は発生しますか?

基本的には、業務に支障が出ないようスムーズな切り替えが可能です。 クラウドPBXやAIクラウドPBXは、インターネット上で事前にすべての設定(内線番号の割り当てやAIの応答設定など)を済ませておくことができます。開通当日は、回線の切り替え処理(数分〜数十分程度)を行うだけで移行できるため、長時間の不通リスクを心配する必要はありません。休業日や夜間に切り替えを行うことも一般的です。

オフィスにある「受付システム」や「ドアホン」「FAX」はそのまま連動できますか?

物理的な機器との連携には、専用のネットワークアダプター(Gateway機器)が必要になるか、システムの見直しが必要な場合があります。 ここがオンプレミスからの移行で最も見落としがちなポイントです。従来のドアホンや複合機(FAX)はアナログ配線でPBXに繋がっていることが多いため、そのままではクラウド化できません。クラウド対応のドアホンに買い替えるか、FAXを「インターネットFAX」へ移行するなど、周辺環境も含めたトータルでのリプレイス計画を立てるのが失敗しないコツです。

一方で、この通信環境の刷新を「アナログだった受付環境をアップデートするチャンス」と捉えて見直しを行う企業も増えています。
例えば、ミライAIではエントランス専用の【受付サービス】を提供しています。これは従来のドアホン配線に頼らず、受付のタブレットに向かって来訪者が「〇〇さんと約束しています」と話しかけるだけで、AIが自動で担当者のスマートフォンやPCへ直接着信・通知を行う仕組みです。
移行時の配線問題をクリアするだけでなく、内線取次ぎにかかっていた有人対応の負担を大幅に軽減し、スムーズな来客体験を同時に実現できるため、電話環境の刷新と合わせたエントランスのDXとして非常に好評をいただいています。

ミライAIのエントランス専用受付サービスの仕組み図。来訪者が受付のタブレットに「田中さんと約束をしています」と話しかけると、AIが「田中を呼び出しますので少々お待ちください」と自動応答し、担当者のPCやスマートフォンへダイレクトに着信・取次を行う流れを描いたイラスト。有人対応の負担を軽減し、スムーズな来客体験を提供するAI受付システムの説明。

自社に最適な電話システムを選ぶ一番の近道は、実際の操作感やAIの音声品質を、自社の環境で確かめてみることです。

ミライAIでは、「30日間の無料デモ」をご用意しています。強引な営業や自動での有料移行は一切ございませんので、オンプレミスや従来のクラウドPBXとの違いを、まずは社内でフラットに比較検討するための材料としてご活用ください。