電話の不満・要望を個人メモで終わらせない|録音・文字起こし・要約で顧客対応を改善
電話では、強い苦情だけでなく、商品やサービスへの不満、説明への疑問、対応への指摘、改善要望など、さまざまな声が寄せられます。
総務・事務・営業などの担当者が代表電話対応を兼務している企業では、こうした電話を通常業務の合間に受けることも少なくありません。その場の対応だけで終わらせず、後から内容を確認できる形で残すことが大切です。
本記事では、録音・文字起こし・要約などの通話記録を使って電話の内容を残し、不満や要望を顧客対応に活かす方法を解説します。なお、ミライAIでは、録音・文字起こし・要約などを「通話履歴」から確認できます。

この記事でわかること
・電話で寄せられた不満や要望を記録・共有する方法
・録音、文字起こし、要約などの通話記録の使い分け
・1件ずつ確認し、複数の電話から原因を探る手順
・分析結果を受付、案内、引き継ぎ、担当者教育へ活かす方法
・AIと人の役割分担と、カスタマーハラスメント(カスハラ)が疑われる場合の対応
・ミライAIで記録・共有・人への切り替えを支える方法
目次
代表電話を個人任せにすると、対応の流れが見えにくくなる

代表電話を個人の記憶やメモに頼って対応すると、1件ごとの内容だけでなく、同じ問題の繰り返しや引き継ぎ後の状況も見えにくくなります。
記憶や伝言では細かな情報が抜けやすい
口頭の申し送りや簡単なメモでは、顧客の発言が短くまとめられ、次のような情報が抜けやすくなります。
・顧客が実際に使った言葉
・問題が起きた状況や時期
・顧客がすでに試したこと
・顧客が求めていること
・担当者が行った説明や折り返し期限
これは担当者の能力だけの問題ではありません。会話をしながら内容を理解し、必要事項を聞き取り、別の業務へ戻る環境では、すべてを正確に記憶することに限界があります。
株式会社ソフツーが2026年6月に、オフィスに固定電話がある職場で働く20歳以上の1,000人を対象に実施した調査では、電話取次ぎ業務で「ミスが発生している」と回答した人は27.6%でした。
代表電話では、用件の聞き取り、取次ぎ、伝言、折り返しなど、複数の工程を重ねる場合があります。顧客が伝えた内容や引き継ぎ状況を後から確認できるよう、記録と共有の方法を決めておくことが大切です。
引用元:株式会社ソフツー「職場における電話業務の実態調査(2026年)」「電話取次ぎミスの発生率:27.6%(前回比約1.6倍)」
備考:2026年6月17日~19日実施/インターネットリサーチ/有効回答数1,000名(20代400名、30代以上600名)
個別に解決すると同じ問題の繰り返しに気づきにくい
各担当者が目の前の電話を解決していても、別の担当者や部署に同じ質問や不満が寄せられていることがあります。個別に対応するだけでは、案内不足など、組織に共通する問題に気づきにくくなります。
受付記録だけでは解決までの流れを追えない
用件だけを記録しても、誰へ引き継いだか、折り返し期限はいつか、実際に対応したか、追加の確認事項が残っているかまでは追えません。
通話記録は、電話で受け付けた内容を振り返るための情報です。通話記録だけで、折り返し後の対応結果や案件の進行まで管理できるとは限りません。必要に応じて、顧客管理システムや案件管理表などと組み合わせて管理します。
通話記録を目的に合わせて確認する

顧客電話担当Aさん:「録音を残しておけば、顧客が何を言ったかは確認できます。それだけでは不十分なのでしょうか?」
ミライAI編集部:「録音は正確な事実確認に役立ちますが、複数の案件をすべて聞き直すと時間がかかります。個別案件の概要は要約で、過去の通話や似た内容は通話記録を振り返るなど、目的に応じた確認が大切です」
録音・文字起こし・要約などの通話記録は、それぞれ役割が異なります。この章では、分析の土台となる情報を整理します。
録音・文字起こしで顧客の発言と会話の流れを確認する
録音・文字起こしは、顧客と担当者が実際に何を話したのかを確かめるために使います。内容を探したり共有したりするときは文字起こし、話し方や会話の流れまで確認するときは録音が役立ちます。
要約は、1件の電話で何が起き、顧客が何を求めているのかを短時間で的確につかむために使います。重要な案件では、要約だけで判断せず、必要に応じて元の録音や文字起こしも確認します。
過去の通話記録から受付状況を振り返る
通話記録は、過去の電話や似た内容の問い合わせを振り返るために使います。同じ顧客や案件かどうかは、必要に応じて顧客情報や案件記録と照らして確認します。
| 情報・機能 | 主な役割 | 確認できること |
| 録音・文字起こし | 1件の内容を確かめる | 顧客の発言、説明の順序、会話内容 |
| 要約 | 1件の内容を即座につかむ | 要望、確認事項、引き継ぎ先 |
| 通話記録 | 過去の通話を振り返る | 過去の用件、取次ぎ状況、似た内容の有無 |
分析は4つの手順で進める
顧客電話担当Aさん:「通話記録が増えても、どこから見ればよいのかわかりません。分析には決まった順序がありますか?」
ミライAI編集部:「まず1件ずつ内容を確認し、次に複数の電話を比べます。そこから考えられる原因を探り、対応を変えた後にどう変化したかを確かめるのが基本です」
顧客の不満や要望は、件数を数えるだけでは原因までわかりません。この順番で確認すると、1件の印象だけで原因を決めつけず、共通する問題があるかを確かめやすくなります。
1件ずつ事実・要望・対応を分けて確認する
最初に、1件の通話内容を次の3つに分けます。
事実
・何が、いつ、どのような状況で起きたか
・確認済みの内容と未確認の内容
顧客の要望
・説明や担当者からの連絡を求めているのか
・手続き、案内、商品・サービスの改善を求めているのか
企業側の対応の流れ
・担当者が何を説明し、どこへ引き継いだか
・折り返し期限と現在の対応状況
担当者の印象や推測は、確認済みの事実と分けます。「顧客が理解していない」と決めつけず、どの説明に対して何を再質問したのかを確認します。
複数の電話を比べ、同じ問い合わせや再入電を探す
1件ずつ内容を確認した後は、複数の通話を次の観点から比べます。
繰り返し
・同じ質問や不満が続いていないか
・説明不足や手続き上の問題で、同じ迷いがないか
偏り
・特定の商品やサービスに集中していないか
・特定の部署、時期、時間帯に偏っていないか
再入電(同じ顧客から再び入る電話)
・以前と同じ内容で再び電話が入っていないか
・折り返しや引き継ぎを確認する電話がないか
再入電は、顧客情報や案件管理記録と照合し、確認できる範囲で整理します。件数が少なくても、顧客への影響が大きい案件や、同じ問題が再び起きる可能性が高い案件は、件数の多い問い合わせと分けて確認します。
不満の背景にある原因を確認する
顧客が伝えた不満から、実際に何が起きたのか、説明や対応に何が足りなかったのか、業務のどの流れに問題があったのかを順に確認します。
たとえば「折り返しが遅い」という不満では、担当者の対応速度だけでなく、折り返し期限、引き継ぎ先、対応責任者、案件の進行状況を確認します。記録から考えられる原因を探り、関係部署へ確認したうえで判断します。
改善後も同じ見方で変化を確かめる
改善後は、同じ内容の問い合わせ、再入電、取次ぎ回数、聞き取り漏れ、案内内容の違いなどを、分析時と同じ基準で確認します。
| 手順 | 確認する内容 | 改善へのつなげ方 |
| 1件ずつ内容を確認する | 事実、顧客の要望、企業側の対応の流れ | 不足している確認や対応を見つける |
| 複数の電話を比べる | 繰り返し、偏り、再入電、説明内容の差 | 組織に共通する問題を見つける |
| 考えられる原因を探る | 情報、受付方法、引き継ぎ、業務の流れ | 必要な対応を決める |
| 改善後の変化を確かめる | 改善前後の問い合わせや対応状況 | 対応を続けるか、変えるか判断する |
受電データから改善点を見つける3つの例
ここでは、前章の4つの手順を具体的な電話業務に当てはめ、改善につなげる3つの例を紹介します。
配送状況の問い合わせから案内方法の改善点を見つける
配送状況の問い合わせが続く場合は、要約や録音から、配送が遅れているのか、発送通知や追跡方法がわかりにくいのかを確認します。過去の通話記録から同じ問い合わせが複数見つかれば、配送そのものではなく案内に原因がある可能性があります。その場合は、通知文や追跡ページ、FAQなどを調整し、同じ問い合わせが減ったかを確認します。
料金案内の問い合わせから説明内容の差を見つける
料金への問い合わせが続く場合は、料金そのものへの不満なのか、内訳や追加費用の説明が伝わっていないのかを確認します。担当者によって説明に違いがあれば、料金資料やFAQ、申込み前の案内をそろえ、その後に同じ問い合わせが減ったかを確認します。
複数回の問い合わせから引き継ぎ方法の改善点を見つける
「以前も問い合わせた」という電話が続く場合は、前回の用件、引き継ぎ先、折り返し期限などを確認します。担当者や期限が曖昧であれば、誰がいつまでに対応するか、どこに記録するかを決め、その後に再入電が減ったかを確認します。
分析結果を受付・案内・引き継ぎ・教育に活かす

分析で見つかった問題は、受付や案内、引き継ぎ、担当者教育に反映することで、顧客対応の改善につなげられます。
最初の対応と責任者へつなぐ条件をそろえる
最初の対応では、担当者によって確認内容や判断が大きく変わらないよう、次のルールをそろえます。
・最初に確認する情報
・その場で回答できる範囲
・担当部署や責任者へ共有する条件
・折り返し期限
・継続して対応する案件の記録方法
・顧客へ伝える次の対応
決まった内容の質問には担当者やAI電話が答え、個別の判断が必要な電話は人へつなぎます。
FAQ・案内・会話フローを見直す
同じ質問や不満が続く場合は、Webサイト、FAQ、商品・料金説明、申込み時の案内、電話で聞き取る項目を見直します。
AI電話の会話フローへ反映する際は、どの質問をAIが受け、どの段階で人へ取り次ぐかを明確にします。情報を増やすだけでなく、顧客が必要な案内へたどり着けるかも確認します。
担当者教育と他部門への共有に活かす
録音や要約などの通話記録から、担当者による説明内容の違い、確認項目の抜け、引き継ぎで不足しやすい情報、顧客が理解しにくい表現などを確認します。
教育では、誰でも迷いやすい説明や業務の流れに目を向けます。商品やサービスへの改善要望は、必要に応じて関係部門へ共有します。
AIは記録と整理、人は判断と対応を担う
AI電話は、電話の内容を記録し、後から確認・共有しやすくする役割を担います。一方、原因を考え、対応方法を決め、顧客へ説明するのは人の役割です。この章では、AIと人の仕事の分け方、担当者を守る方法を説明します。
AIは通話内容の記録と整理を支援する
AI電話は、最初の用件の聞き取り、録音、文字起こし、要約とその保存、通知、担当者への転送など、電話の記録や共有を支援します。
一方、不満や要望の重要度や原因、顧客の感情をAIが自動で判断するわけではありません。カスハラに当たるかどうかも、記録と実際の状況を踏まえて人が判断します。
人が原因を考え、対応を決める
人が担う主な役割は次のとおりです。
・事実関係を確認する
・重要度や緊急度を判断する
・考えられる原因を探り、対応方法を決める
・顧客へ説明し、関係部署と調整する
同じような問題が見つかっても、原因を断定する前に関係者へ確認します。
人による対応へ切り替える条件を決める
人の判断や対応が必要な場合は、担当者へつなぎます。
・顧客が人との対応を希望している
・個別事情を踏まえた判断が必要である
・AIが回答できない内容である
・契約、金銭、安全、健康に関する確認が必要である
・責任者による説明や複数回の対応が必要である
どの条件で誰へ取り次ぐかを、会話フローと社内ルールで決めておきます。
カスハラが疑われる場合は責任者へ共有し、担当者を守る
顧客が不満を示しただけで、カスタマーハラスメントに当たるわけではありません。厚生労働省は、職場におけるカスタマーハラスメントを、事業に関係する顧客などによる「社会通念上許容される範囲を超えた言動」によって、労働者の就業環境が害されるものと定義しています。通常の不満や改善要望とは分けて考える必要があります。
要求内容や言動、拘束時間、繰り返しの状況などから就業環境を害するおそれがある場合は、担当者だけで抱え込ませません。2026年10月1日からは、カスタマーハラスメント防止措置が事業主の義務となり、方針の明確化、相談体制、事実確認、適切な対応などが求められます。
録音や文字起こしは、やり取りの確認、責任者や関係部署への共有、担当者交代や対応継続の判断、専門部署や外部専門家への相談に活用します。AIがカスハラに当たるかを決めるのではありません。公式な指針と実際の状況を踏まえ、企業が判断します。
引用元:厚生労働省「あかるい職場応援団」カスタマーハラスメントとは
概要:カスタマーハラスメントは①顧客等が行う②社会通念上許容される範囲を超えた言動により③労働者の就業環境が害されるもの。令和8年(2026年)10月1日から防止措置が事業主の義務となる。
ミライAIで記録・共有・人への切り替えを支える

顧客電話担当Aさん:「ここまでの記録や分析を、AI電話ではどのように支えられるのでしょうか?」
ミライAI編集部:「ミライAIでは、通話履歴から録音・文字起こし・要約などを確認でき、通知・転送で必要な人へつなげられます。分析や対応の判断は人が行います」
顧客対応の分析に使うAI電話では、必要な情報を確認・共有し、個別判断が必要な案件を人へつなげられるかが重要です。
要約で1件の要点を確認する
選ぶ際は、電話の要点や顧客の要望、社内で確認が必要なこと、引き継ぎ先などを要約で把握できるかを見ます。
株式会社ソフツーが提供するミライAIは、リアルタイム文字起こし、通話録音、通話内容の要約に対応しており、これらは通話履歴から確認できます。
通話履歴から過去の通話を確認する
過去の通話の録音や文字起こしなどを一覧で確認できるかを見ます。ミライAIでは、通話履歴からこれらを確認できます。長期間の分析に使う場合は、データの出力方法や保存期間が自社の運用に合うかも、契約前に確認しておくと安心です。
通知と転送で担当者・責任者へつなぐ
ミライAIは、着信情報や用件をチャットやメールへリアルタイムで通知できます。折り返し専用シナリオでは用件と連絡先を聞き取り、指定したチャットやメールへ共有します。
代表電話取次ぎでは社員名簿を使って担当者を呼び出し、必要な電話を転送できます。AI FAQ連携を利用する場合は、FAQで回答出来ないときに折り返し受付や担当者への転送へ切り替えることもできます。
API連携(自社の顧客管理システムなどと自動でデータをやり取りする仕組み)を利用できるプランでは、電話応対で得た情報を外部システムへつなげられます。対象プランや連携範囲も、導入前に確認しておくと安心です。
自社の電話でどのような内容を記録・確認できるかは、実際の業務を想定して確かめることが重要です。ミライAIでは、30日間の無料デモで、AIの音声、会話フロー、自動文字起こし、メール・チャットへの共有などを試せます。
まとめ|電話の不満・要望を対応改善に活かす
電話で寄せられた不満や要望を顧客対応に活かすには、顧客が何を伝え、会社がどう対応したのかを後から確認できる形で残すことが大切です。
通話履歴から録音・文字起こし・要約をそれぞれ見ていくことで、1件ごとの事実確認から、繰り返されている問題の把握まで進めやすくなります。見つかった問題は、受付や案内、引き継ぎ、担当者教育などに反映し、その後の変化も確認します。
AI電話は記録や共有を支援しますが、原因や対応方法を判断するのは人です。電話の記録や共有にかかる手間を減らせれば、担当者は顧客への説明や個別判断など、本来注力したい業務に時間を使いやすくなります。
ミライAIの通話履歴で確認できる文字起こしや要約、通知、担当者への転送などの機能は、サービス資料で確認できます。自社の受付内容や担当者への共有フローに合わせた活用方法を検討したい場合は、お気軽にご相談ください。
電話の不満・要望の記録・分析に関するよくある質問
Q1.AI電話は不満や要望を自動で分析できますか?
A:録音、文字起こし、要約などの通話記録によって、確認に必要な情報を残せます。ミライAIでは、これらを通話履歴から確認できます。重要度や原因、対応方法は自社で判断します。
Q2.要約だけで対応内容を判断できますか?
A:要約は通話内容を手早くつかむのに役立ちます。重要な案件や事実確認が必要な場合は、録音や文字起こしまで確認します。
Q3.過去の通話記録からどのような分析ができますか?
A:過去の通話を確認し、同じ内容の繰り返し、商品や部署への偏り、取次ぎ状況、説明内容の差などを整理できます。
Q4.件数が少ない不満や指摘も確認した方がよいですか?
A:件数だけでなく、顧客への影響、同じ問題が再び起きる可能性、対応の重要性も踏まえて優先順位を決めます。
Q5.記録を残すだけで顧客対応は改善しますか?
A:記録した内容を確認し、必要な対応につなげることで、顧客対応の改善に活かせます。その後、同じ問い合わせや不満がどう変わったかも確認します。
Q6.AI電話はカスハラを自動で判定できますか?
A:録音や文字起こしは事実確認や共有に役立ちますが、カスハラに当たるか、どのように対応するかは企業が判断します。
